・上司の「叱る」と「褒める」ポイント

・部下を伸ばす「叱る」方法「褒める」方法

・子育てで心を強くする「飴とムチ」

・アメとムチで部下の心をつかむ

 

・・・などなど、日本では「叱る」べきかか、それとも「褒める」べきかの議論で溢れています(褒めると叱るで検索すると、26万件のヒット)。しかし、コーチの目的は、選手が自己新記録を出すことのサポートであって、褒めること・叱ることが上手になることではありません。

 

陸上や体操のようなクローズドスキル型の競技では、自己新記録という言葉に馴染みはありますが、バスケットボールやサッカーなどのオープンスキル型の競技では、チームスポーツという要素も加わってか、選手個人の自己新記録を伸ばすことにフォーカスするという意識は、これまで低かったように思います。

 

最近はスキル専門のコーチも増え、個人のスキルアップ(特徴の強化)こそ、チーム力のベースアップに繋がるという考え方が浸透してきており、個人にフォーカスがいくことはとてもよいと考えています。産業が20世紀のマス化から21世紀は多様化にシフトする中で、スポーツも同様にシフトするべきです。

 

例えば、陸上競技で選手が辞めたくなるのはどのようなときか?それは「自己新記録が出なくなったとき」ということは容易に考えられます。ですから、ひとりの選手が毎日自己新記録を出すために、コーチはPDCAをまわしながら、ただ結果のみにフォーカスすればよい。毎日自己新記録が出れば、選手は必ず懸命に練習するはずです。

 

では、オープンスキル型でいう自己新記録とは何か?という再定義もコーチは必要でしょう。なにをもって成長とするのか?それをどうやって数値化し記録とするのか?暗黙知のみで認識されていた現象を言語化し、数値化することで、より明確になり、よい結果に繋がります。コーチはこれを面倒くさがってはいけない。

 

よい結果が出れば「結果が出たね」で終わりです。本来は選手がほしいのは結果なのですから、褒めてもらう必要などありません。コーチが「褒める」という余計な調味料を加えることで、本来の「味」がわからなくなってしまう。逆に結果が出なければ、それは選手の怠惰が理由でも選手の能力が理由でもありません。プランしたコーチの能力不足です。

 

コーチの能力不足が、選手の結果が出ない唯一の理由ですから、叱る必要も怒鳴る必要もありません。叱りたいなら、むしろ自身にそうするべきです。自分の無能さを叱咤するのであれば、誰の迷惑にも、誰の苦しみにも繋がりません。大いに自分をけなしてください。しかし、自分にはそれができない。だったら人にもすべきではありません。

 

と偉そうなことを書きましたが、これはすべて自身への戒めです。わかっていてもできない。それが現実だと思います。だからこそ、コーチ自身が自己新記録を目指すべきです。自分が選手をサポートしているようでいて、実は自分が選手にサポートしてもらっていて、選手から学んでいるのです。このことを忘れないようにしたいです。